新型クラウンシリーズの第4弾として、2025年3月13日に発売が発表されたトヨタのステーションワゴンタイプSUV『クラウン(エステート)』。
全グレードのスペックや装備を項目毎に比較して、購入を検討する際のポイントをまとめてみました!
目次
価格、グレード展開
Z | RS | |||
HEV | AWD | 電気式無段変速機 | ¥6,350,000 | – |
PHEV | AWD | 電気式無段変速機 | – | ¥8,100,000 |
『クラウン(エステート)』には、2.5Lエンジンに高出力モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用した「Z」、2.5Lエンジンに駆動用電池、高出力モーターを組み合わせたプラグインハイブリットシステムを採用した「RS」といった、シンプルなグレード展開になっています。
気になるポイントは以下となります。
- 全グレードで駆動方式はAWDのみ
シンプルなグレード展開に加えて、駆動方式も「Z」「RS」ともに四輪駆動のAWDのみとなっており、残念ながら二輪駆動の設定はありません。
価格については、HEVモデルの「Z」とPHEVモデルの「RS」を比較すると175万円ほど「RS」が高く、同じトヨタの別車種で設定されているHEVモデルとPHEVモデルの価格差と比べても(ハリアーだと価格差約135万円)、だいぶ割高な印象を受けます。
ただし、PHEVの場合は国や購入する地域の自治体によっては補助金が受けられるため、価格差はもう少し縮まりそうです。
エクステリアのデザイン、質感の比較
画像引用元:トヨタ クラウン(エステート)Z Z Z RS RS RS
Z | RS | ||
フロント | バンパー | ● ピアノブラック | |
サイド | ウインドウモール | ● シルバー ◎(¥55,000/99,000) ブラック ※有償色のバイトーンのボディカラー選択に含まれる | |
ドアミラーカバー | ● ブラック | ||
ホイールアーチ | ● ピアノブラック ◎(¥110,000) ボディ同色 | ||
サイドシル | ● ピアノブラック | ||
ホイール | ● 21インチアルミホイール(ダークグレーメタリック) | ● 21インチアルミホイール(マットブラック)×エアロホイールカバー(メタルスターグロスブラック) | |
キャリパー | – | ● レッド | |
リア | バンパー | ● ピアノブラック | |
ボディカラー | ● 無償色:2色 ◎(¥55,000/99,000) 有償色:7色 | ● 無償色:2色 ◎(¥55,000/99,000) 有償色:8色 |
気になるポイントは以下となります。
- 「Z」と「RS」でホイールデザインが異なる
- 「RS」はレッドのカラードキャリパーを装備
- 「Z」と「RS」では選択できるボディカラーが異なる
- 全グレードでバイトーンのボディカラーを選択可能
エクステリアの印象ですが、ステーションワゴンタイプということもあり前後に伸びやかなシルエットとなっており、フロントは他のクラウンシリーズと同様にハンマーヘッドをモチーフにしたデザインとなっていますが、エステートではデイランプと上部のボンネットとの境界に隙間を設けることで、ハンマーヘッドの形状を表現しています。
エクステリアのグレード別の違いとしては、ホイールのデザインや塗装が異なっていることと、「RS」ではブレーキにレッドのカラードキャリパーが装備されていることで足回りの印象が変わってきますが、それ以外には大きな違いはありません。
ボディカラーでは、「RS」には「Z」で選択できなかったプレシャスメタル× マッシブグレーのバイトーンのボディカラーが追加で選択できるようになっています。
また、全グレードで有償となりますがバイトーンのボディカラーを選択することができ、バイトーンを選択した場合はドアガラス周りのモールがブラックに変更されます。
インテリアのデザイン、質感の比較
画像引用元:トヨタ クラウン(エステート)Z
内装色:ブラック
シート:ブラックZ
内装色:ブラック
シート:ブラックZ
内装色:サドルタン
シート:サドルタンRS
内装色:グレイッシュブルー
シート:ブラックRS
内装色:グレイッシュブルー
シート:ブラック
Z | RS | |
インパネ | ● 合成皮革(ブラック/サドルタン) | ● 合成皮革(グレイッシュブルー) |
ドアトリム | ● 合成皮革(ブラック/サドルタン) | ● 合成皮革(グレイッシュブルー) |
シート | ● 本革(ブラック/サドルタン) | ● 本革(ブラック) |
ステアリング | ● 本革 | ● ディンプル本革 |
シフトノブ | ● 本革 | ● ディンプル本革 |
スカッフプレート | ● フロント |
気になるポイントは以下となります。
- 「Z」は2種類の内装色から選択可能
- 「RS」はステアリングホイールやシフトノブにディンプル本革のを採用
インテリアの印象ですが、他のクラウンシリーズと同様に助手席側がセンターコンソールから正面のインパネ、サイドのドアパネルにかけて1本のラインで繋がった包まれ感のあるデザインとなっており、シートやドアトリムには本革や合成皮革が使われているので、上質さを感じられる内装になっています。
内装色は、「RS」ではグレーが混ざったような青のグレイッシュブルーのみとなっていますが、「Z」ではブラックに加えて、サドルタンという高級感のある印象を与えるタンカラーも選択できるようになっています。
その他のグレード別の違いとしては、「RS」のステアリングやシフトノブはグリップ力が高まるディンプル加工が施されており、操作性が高められています。
サイズ、重量、乗車定員、最小回転半径の比較
Z | RS | ||
ボディサイズ | 全長 | 4,930 | |
全幅 | 1,880 | ||
全高 | 1,625 | ||
ホイールベース | 2,850 | ||
車両重量 | 1,890 | 2,080 | |
乗車定員 | 5 | ||
最小回転半径 | 5.5 |
気になるポイントは以下となります。
- 一般的な立体駐車場に収まらないサイズ感
- DRSの採用により最小回転半径が5.5m
ボディサイズを検討する際は、クルマを止める駐車場のサイズ制限を意識する必要があります。
その際にマンションなどの立体駐車場に止める場合は、最も多いサイズ制限として「全長5.0m以下×全幅1.85m以下×全高1.55m以下、車両総重量2,500kg以下」となっています。
ボディサイズは全グレードで共通となっており、一般的な立体駐車場に収まらないサイズ感となっているので、事前に駐車スペースのサイズ制限は意識しておいたほうがいいですね。
他のクラウンシリーズにも採用されているDRSにより、全長が5m近いボディサイズながら最小回転半径が5.5mと、駐車時の取り回しの良さを感じられる旋回性能を有しています。
車両重量がPHEVモデルの「RS」は2.0tを超えており、2.0t以下の「Z」とはクルマ購入時や車検時に支払いが発生する車両重量税が変わってくるので、気に留めておいたほうがいいでしょう。
燃費、動力性能、総排気量の比較
Z | RS | |||
パワートレイン | 2.5L直列4気筒ハイブリッド | 2.5L直列4気筒プラグインハイブリッド | ||
燃費 | AWD | 20.3 | 20.0 | |
EV航続可能距離 | – | 89 | ||
燃料 | レギュラーガソリン | |||
燃料タンク容量 | 55 | |||
動力性能 | エンジン | 最大出力 | 140[190]/6,000 | 130[177]/6,000 |
最大トルク | 236[24.1]/4,300-4,500 | 219[22.3]/3,600 | ||
モーター | 最大出力 | フロント:134[182] リア:40[54] | ||
最大トルク | フロント:270[27.5] リア:121[12.3] | |||
総排気量 | 2.487 |
気になるポイントは以下となります。
- 「RS」はガソリンでの走行に加えてEVでの走行も可能
PHEVモデルとなる「RS」では、HEVモデルの「Z」と同等の燃費でガソリン走行が可能なことに加えて、バッテリー満充電の場合はさらに約89kmもEV走行が可能となっています。燃料タンク容量も変わらないので、燃料を満タンにしたときの航続可能距離は「RS」のほうが優れています。
エクステリア関連装備の比較
Z | RS | ||
フロントランプ | ヘッドランプ | ● フルLED | |
オートライト | ● | ||
アダプティブハイビーム | ● | ||
デイライト | ● LED | ||
ポジションランプ | ● LED | ||
コーナリングランプ | ● LED | ||
リアランプ | リアコンビネーションランプ | ● フルLED | |
ハイマウントストップランプ | ● LED | ||
フォグランプ | ◎ LED | ||
ルーフ | パノラマルーフ | ◎(¥110,000) 電動シェード,電動チルト&スライド | |
ルーフレール | ● シルバー ◎(¥55,000/99,000) ブラック ※有償色のバイトーンのボディカラー選択に含まれる | ||
ドアミラー | 自動格納 | ● | |
リバース連動 | ● | ||
ヒーター | ● | ||
フロントワイパー | 車速連動間欠 | ● | |
雨滴感知 | ● |
※装備/機能の説明については、「エクステリア関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- エクステリア関連装備ではグレード別の違いなし
エクステリア関連の装備ですが、全グレードで灯火類は全てフルLEDとなっており、フロントランプには先行車や対向車を検知してハイビームの照射範囲を変えるアダプティブハイビームを備えています。
さらに、後退時に駐車場の白線などが見えやすいようにドアミラーを下向きの角度に変えてくれるリバース連動機能や、フロントワイパーには車速だけでなく雨が降ってきた場合は雨量に応じでワイパーの動作速度を自動調整してくれる便利な機能も全グレードに設定されています。
ルーフの積載性が向上するルーフレールが全グレードで標準装備となっていますが、ボディカラーがモノトーンの場合はシルバー塗装になっていますが、バイトーンを選択した場合はブラック塗装に変更されます。
インテリア関連装備の比較
Z | RS | ||
インパネ | メーターパネル | ● 12.3インチマルチインフォメーションディスプレイ | |
ヘッドアップディスプレイ | ● | ||
センターディスプレイ | ● 12.3インチ | ||
ルーフ | サンバイザー | ● チケットホルダー,バニティミラー,照明付 | |
ルームミラー | デジタルミラー | ● | |
ステアリング | チルトステアリング | ● 電動,メモリ機能付 | |
テレスコピックステアリング | ● 電動,メモリ機能付 | ||
ステアリングヒーター | ● オート機能付 | ||
シート | パワーシート | ● 運転席:8way,メモリ機能付 助手席:4way | |
シートヒーター | ● 前席,オート機能付 | ● 前後席,オート機能付 | |
シートベンチレーション | ● 前席,オート機能付 | ||
センターアームレスト | ● コンソールボックス一体型 | ||
リアセンターアームレスト | ● カップホルダー付 | ||
後席シートアレンジ | ● 6:4分割可倒,リクライニング機能(手動),遠隔可倒機能付 | ||
ラゲッジ | トノカバー | ● | |
デッキチェア | △(¥31,900) | ● | |
デッキテーブル | △(¥18,700) | ● |
※装備/機能の説明については、「インテリア関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- 後席のシートヒーターは「RS」のみ設定あり
インテリア関連の装備ですが、メーターパネルやセンターディスプレイは12.3インチと大型のモニターとなっており、見栄えが良く情報量も多いものになっています。
冬場にあると嬉しいステアリングのグリップ部分を温める機能を備えたステアリングヒーター、そして前席にはシートの座面を温めてくるシートヒーターや、逆に暑い夏場には熱を吸い込んでくれるシートベンチレーションといった快適装備が全グレードで標準装備となっています。
さらに、「RS」には後席にもシートヒーターが標準で装備されていますが、「Z」では残念ながらオプションでも設定がない装備となっています。
エステート独自の装備として、ラゲッジルームでくつろぐ際の便利グッズとして収納も可能なデッキチェアやデッキテーブルがあるのですが、「RS」では標準で装備されており、「Z」で欲しい場合はディーラーオプションで追加する必要があります。
その他装備の比較
Z | RS | ||
ドア | パワーウインドウ | ● 全席ワンタッチ式 | |
パワーバックドア | ● ハンズフリ-機能,挟み込み防止機能,停止位置メモリー機能付 | ||
イージークローザー | ● バックドア | ||
車速感応式ドアロック | ● | ||
ガラス | UVカットガラス | ● 全面 | |
IRカットガラス | ● フロントドア | ||
プライバシーガラス | ● リアドア,リアクォーター,バックドア | ||
遮音ガラス | ● フロント | ||
電源 | ワイヤレス充電 | ● | |
USBソケット | ● 前席:通信用type-C×1,充電用type-C×2 後席:充電用type-C×2 | ||
アクセサリーソケット | ● 前席 | ||
AC電源 | ● 後席,荷室(100V・1500W) | ||
通信 | スマートキー | ● | |
Apple CarPlay/Android Auto対応 | ● | ||
コネクティッドサービス | ● | ||
ETC2.0 | ● | ||
空調 | オートエアコン | ● デュアルゾ-ン | |
照明 | カーテシランプ | ● フロントドア,リアドア | |
オーディオ | 標準スピーカー | ● 10スピーカー | |
運転 | ナビゲーションシステム | ● | |
ドライブモードセレクト | ● 4モード | ● 5モード | |
パドルシフト | ● | ||
ブレーキホールド | ● | ||
その他 | パワーイージーアクセス | ● ステアリング,シート(運転席) |
※装備/機能の説明については、「その他装備関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- ドライブモードの種類がグレードによって異なる
その他の装備ですが、全グレードで両手が荷物で塞がっているシーンなどで重宝するスイッチ操作なしでバックドアの開閉が可能なハンズフリー機能、ステアリングや運転席のシート位置を乗り降りしやすい位置に自動調整してくれるパワーイージーアクセスといった高級車然とした装備が付いています。
走りのテイストを変更することができるドライブモードセレクトが全グレードで設定されていますが、「RS」にはECOとSPORTに加えて、操作性や乗り心地を重視したセッティングとなるREAR COMFORTモードが追加で用意されています。
安全装備、運転支援の比較
Z | RS | ||
街中での走行時 | 衝突軽減ブレーキ | ● | |
交差点進入時車両検知アラート/衝突回避 | ● | ||
緊急時操舵アシスト | ● | ||
二次被害軽減ブレーキ | ● | ||
道路標識認識 | ● | ||
先行車発進検知アラート | ● | ||
プロアクティブドライビングアシスト | ● | ||
高速道路での走行時 | 先行車追従/車速維持 | ● | |
先行車追従自動停止 | ● 停止保持機能付 | ||
車線維持支援 | ● | ||
車線逸脱検知アラート/衝突回避 | ● | ||
カーブ等速度抑制 | ● | ||
後側方走行車両検知アラート | ● | ||
車線変更支援 | ● | ||
ハンズオフ | ● 0km/h~約40km/h | ||
ドライバー異常時対応 | ● | ||
駐車や発進/後退時 | 踏み間違え抑制 | ● | |
前後方障害物衝突検知アラート/衝突回避 | ● | ||
側方障害物衝突検知アラート/衝突回避 | ● | ||
後退時後方左右接近車両検知アラート/衝突回避 | ● | ||
自動駐車 | ● リモート機能,メモリ機能付 | ||
視界の拡張 | 360°モニター | ● 床下透過表示機能付 | |
その他 | ドライブレコーダー | ● 前後方 |
※装備/機能の説明については、「安全装備、運転支援関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- 安全装備、運転支援ではグレード別の違いなし
『クラウン(エステート)』は、安全装備、運転支援機能が最も充実した区分となる「サポカーSワイド※1」の対象車となっている、安全性の高いクルマとなっています。
※1:衝突軽減ブレーキ(対歩行者)、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト搭載
安全装備、運転支援に関してグレード別の違いはなく、安全装備では必要十分な機能に加えて、駐車時にステアリングやペダルを自動操作してくれる自動駐車機能、自車前後方だけでなく側方の障害物の衝突回避も可能となる機能が追加される「Advanced Park(リモート機能付)」が標準で装備されています。
運転支援では、高速道路で車速/車線維持や全車速追従が可能なクルーズコントロールだけでなく、40km/h以下であればステアリングを自動操作してくれる「Advanced Drive」や、LEXUS/トヨタ独自の「プロアクティブドライビングアシスト[PDA]」といった、走行中に減速しないまま先行車に近づいたときや急なカーブでの自動減速や、走行車線内の前方に歩行者や自転車がいた場合に衝突しないようステアリングやブレーキ操作の支援を行ってくれる機能も備わっており、安全な運転をサポートしてくれます。
さらに、他の車種ではオプションとなっていることが多いドライブレコーダーまで標準で装備されており、オプションで追加するものがほとんどない充実した内容になっています。
まとめ
以上を踏まえて、次のポイントが筆者が考える比較検討をする際の判断ポイントになります。
「Z」を選ぶポイント
- できるだけ低価格で購入したい
- 高級感のあるタンカラー(サドルタン)の内装を選択できる
「RS」を選ぶポイント
- 後席もシートヒーターを備えており、乗り心地を重視したドライブモードもあるので後席乗車が快適
- 自宅や近隣に充電設備があり、常に充電できる環境であれば燃料代が安く済む
- PHEVの特性を生かし、自宅への電力供給や、災害時の発電用に利用できる
以上、「トヨタ『クラウン(エステート)』の全グレード、比較してみた!」でした。
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