ホンダ『フリード』の各グレード、比較してみた！

2024年6月にフルモデルチェンジしたホンダのコンパクトサイズミニバンとなる『フリード』。

各グレードのスペックや装備を項目毎に比較して、購入を検討する際のポイントをまとめてみました。

※同じコンパクトサイズミニバンのトヨタ『シエンタ』との比較は、別記事「ホンダ『フリード』と トヨタ『シエンタ』、比較してみた！」をご覧ください。

価格、グレード展開

			AIR	AIR EX	CROSSTAR
ガソリン	FF	5人乗り	–	–	￥2,812,700
		6人乗り	￥2,508,000	￥2,697,200	￥2,856,700
		7人乗り	–	￥2,741,200	–
	AWD	5人乗り	–	–	￥3,043,700
		6人乗り	￥2,739,000	￥2,928,200	￥3,087,700
HEV	FF	5人乗り	–	–	￥3,162,500
		6人乗り	￥2,857,800	￥3,047,000	￥3,206,500
		7人乗り	–	￥3,091,000	–
	AWD	5人乗り	–	–	￥3,393,500
		6人乗り	￥3,088,800	￥3,278,000	￥3,437,500

気になるポイントは以下となります。

• 「AIR」は６人乗りのみ
• 「AIR EX」には５人乗りの設定なし
• 「AIR EX」のAWDには7人乗りの設定なし
• 「CROSSTAR」には７人乗りの設定なし

『フリード』にはスマートな印象を与える「AIR」と、タフ感のある「CROSSTAR」といった、２種類の異なるエクステリアデザインが用意されています。

「AIR」と「AIR EX」はエクステリアデザインに違いはなく、「AIR」より装備を充実させ、インテリアの質感をアップしたグレードが「AIR EX」となっています。

全グレードで動力はガソリンとHEV、そして駆動方式はFFとAWDの設定があります。

全グレードで設定がある６人乗りで比較してみると、FFとAWDでは25万ほどの価格差となっており、同じ駆動方式では「AIR EX」は「AIR」より20万円ほど高く、「CROSSTAR」は「AIR EX」より15万円ほど高い価格設定となっています。

乗車定員は5人/6人/7人乗りが用意されていますが、グレードによって選択できる乗車定員が異なっています。

「AIR」には6人乗りしか設定がなく、「AIR EX」には5人乗りの設定なし、逆に「CROSSTAR」では7人乗りの設定がないため、見た目や装備類だけでなく、乗車定員も意識してグレードを選択する必要があります。

さらに最も多人数乗車ができる「AIR EX」の7人乗りにAWDの設定がないので、降雪地域に住んでいる方やスキーなどでよく雪国に行く方は、購入を検討する際に意識しておく必要がありますね。

エクステリアのデザイン、質感の比較

画像引用元：ホンダ フリード

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
フロント	グリル	● 通常ﾃﾞｻﾞｲﾝ		● CROSSTAR専用
	バンパー	● 通常ﾃﾞｻﾞｲﾝ		● CROSSTAR専用
サイド	ドアミラーカバー	● ﾎﾞﾃﾞｨ同色		● CROSSTAR専用(高輝度ｼﾙﾊﾞｰ)
	アウタードアハンドル	● ﾎﾞﾃﾞｨ同色		● CROSSTAR専用(高輝度ｼﾙﾊﾞｰ)
	ホイールアーチ	● ﾎﾞﾃﾞｨ同色		● CROSSTAR専用ﾌﾟﾛﾃｸﾀｰ
	サイドシル	● ﾎﾞﾃﾞｨ同色		● CROSSTAR専用ｶﾞｰﾆｯｼｭ
	ホイール	● 15ｲﾝﾁｽﾁｰﾙﾎｲｰﾙ+ﾌﾙﾎｲｰﾙｷｬｯﾌﾟ △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(切削ｸﾘｱ×ﾍﾞﾙﾘﾅﾌﾞﾗｯｸ) △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(ｸﾞﾘﾝﾄﾌﾞﾗｯｸ)	● 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(切削ｸﾘｱ×ﾍﾞﾙﾘﾅﾌﾞﾗｯｸ) △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(ｸﾞﾘﾝﾄﾌﾞﾗｯｸ)	● CROSSTAR専用15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(切削ｸﾘｱ×ﾍﾞﾙﾘﾅﾌﾞﾗｯｸ) △(￥28,160/1本) 15ｲﾝﾁｱﾙﾐﾎｲｰﾙ(ｸﾞﾘﾝﾄﾌﾞﾗｯｸ)
リア	バンパー	● 通常ﾃﾞｻﾞｲﾝ		● CROSSTAR専用
	リアロアー	● 通常ﾃﾞｻﾞｲﾝ		● CROSSTAR専用(高輝度ｼﾙﾊﾞｰ)

気になるポイントは以下となります。

• ホイールが「AIR」にはスチールホイール、「AIR EX」「CROSSTAR」はアルミホイールを採用
• 「CROSSTAR」には、専用エクステリアデザインとなる専用パーツを装備

「AIR」のホイールは、標準でスチールホイールが採用されており、この点が「AIR EX」と見た目が異なるポイントとなります。

「CROSSTAR」には、専用フロントグリルや専用バンパー（フロント/リア）、ホイールアーチにプロテクター取り付けられているなど、アウトドアライクな見た目となっています。

インテリアのデザイン、質感の比較

画像引用元：ホンダ フリード

	AIR	AIR EX	CROSSTAR
インパネ （アッパーボックス）	● ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ(撥水･撥油)(ｸﾞﾚｰｼﾞｭ)	● ①ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ(撥水･撥油)(ｸﾞﾚｰｼﾞｭ) ②ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ(撥水･撥油)(ﾌﾞﾗｯｸ)	● 合成皮革(ｶｰｷ)
シート	● ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ(ｸﾞﾚｰｼﾞｭ)	● ①ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ×合成皮革(撥水･撥油)(ｸﾞﾚｰｼﾞｭ) ②ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ×合成皮革(撥水･撥油)(ﾌﾞﾗｯｸ)	● ﾌｧﾌﾞﾘｯｸ×合成皮革(撥水･撥油)(ｶｰｷ×ﾌﾞﾗｯｸ)
ステアリング	● ｳﾚﾀﾝ	● 本革
シフトノブ	● ｳﾚﾀﾝ	● 本革

気になるポイントは以下となります。

• 「AIR」はステアリングやシフトノブの素材がウレタン、上位グレードでは本革を採用
• 「AIR EX」はグレージュとブラックの2色の内装から選択可能

「AIR」はステアリングやシフトノブがウレタン、シートがファブリックとなっていますが、「AIR EX」「CROSSTAR」にはステアリングやシフトノブに本革、シートはファブリックと合成皮革のコンビが採用されており、より質感の高い内装となっています。

内装色が、「AIR」や「CROSSTAR」では1色のみとなりますが、「AIR EX」ではグレージュとブラックの2色が用意されているので、好みの色を選択することができます。

ボディサイズ、車両重量、最小回転半径の比較

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
ボディサイズ	全長	4,310
	全幅	1,695		1,720
	全高	FF:1,755 AWD:1,780
車両重量	ガソリン	FF:1,370 AWD:1,460	FF:1,380～1,400 AWD:1,470	FF:1,390～1,400 AWD:1,470
	HEV	FF:1,460 AWD:1,550	FF:1,480 AWD:1,560	FF:1,480～1,490 AWD:1,560～1,580
最小回転半径		5.2

気になるポイントは以下となります。

• 「AIR」「AIR EX」より「CROSSTAR」のほうが全幅が2.5センチ長い

ボディサイズを検討する際は、クルマを止める駐車場のサイズ制限を意識する必要があります。
マンションなどの立体駐車場に止める場合、最も多いサイズ制限として「全長5.0m以下×全幅1.85m以下×全高1.55m以下、車両総重量2,500kg以下」となっています。

どのグレードも全長/全幅は問題ありませんが、全高が1.55mを超えてしまっているので、立体駐車場の中段などには駐めるのが難しいサイズ感となってます。

エクステリアデザインの違いにより「CROSSTAR」が他のグレードより全幅が2.5センチ長くなっているので、微々たるものかもしれませんが購入を検討する際は意識しておいたほうがいいと思います。

またFFとAWDでは全高が2.5センチAWDのほうが高くなっているので、クルマを止める場所の高さ制限がある場合は、気にしておく必要があるでしょう。

燃費、動力性能、総排気量の比較

				AIR	AIR EX	CROSSTAR
ガソリン	燃費	FF		16.5	16.3-16.4	16.4
		AWD		14.5	14.4	14.4
	燃料			レギュラーガソリン
	動力性能	エンジン	最大出力	87[118]/6,600
			最大トルク	142[14.5]/4,300
	総排気量			1.496
HEV	燃費	FF		25.6	25.3-25.4	25.3-25.5
		AWD		21.3	21.2	21.1-21.3
	燃料			レギュラーガソリン
	動力性能	エンジン	最大出力	78[106]/6,000-6,400
			最大トルク	127[13.0]/4,500-5,000
		モーター	最大出力	90[123]/3,500-8,000
			最大トルク	253[25.8]/0-3,000
	総排気量			1.496

気になるポイントは以下となります。

• 動力性能はグレードによる違いなし

燃費性能はグレードの違いによる差はほとんどなく、FFとAWDの違いによる燃費差が、ガソリンで2km/Lほど、HEVで4km/LほどFFが優れており、同じ駆動方式でガソリンとHEVを比較すると、7～9km/LほどHEVが優れています。

燃料は全グレードでレギュラーガソリンとなっており、総排気量も変わらず毎年の自動車税は同じ額となるので、動力や駆動方式の違いによる価格差、年間の走行距離やクルマの所有期間などを踏まえて検討する必要がありますね。

エクステリア関連装備の比較

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
フロントランプ	ヘッドランプ （フルLED）	●
	オートライト	●
	アダプティブハイビーム	–	◎(◆1) HEV(6人乗り)
	オートハイビーム	●
	デイライト	●
	コーナリングランプ	–	◎(◆1) HEV(6人乗り)
	フォグランプ （LED）	△(￥63,800~)		●
リアランプ	リアコンビネーションランプ （フルLED）	●
	ハイマウントストップランプ （LED）	●
ルーフ	ルーフレール	–		●
ドアミラー	自動格納	△(\11,000)	●
フロントワイパー	車速連動間欠	●

気になるポイントは以下となります。

• アダプティブハイビーム、コーナリングライトが「AIR」には設定なし
• LEDフォグランプは「CROSSTAR」のみ標準装備、「AIR」「AIR EX」はオプションで設定あり
• ルーフレールは「CROSSTAR」のみ設定あり

また、先行車や対向車を検知してハイビームの照射範囲を変えるアダプティブハイビームや、交差点などで曲がった先の見通しをよくするコーナリングライトが、「AIR」には設定されていません。

悪天候での道路の視界確保につながるフロントのLEDフォグランプは、「CROSSTAR」には標準装備となっていますが、「AIR」「AIR EX」にもディーラーオプションで追加することができます。

「CROSSTAR」には、ルーフレールが標準で装備され積載性が向上しているので、アウトドアなどの利用シーンで重宝します。

インテリア関連装備の比較

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
インパネ	メーターパネル	● 7ｲﾝﾁﾏﾙﾁｲﾝﾌｫﾒｰｼｮﾝﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲ＋ｵﾌﾟﾃｨﾛﾝﾒｰﾀｰ
	センターディスプレイ	△(￥320,100) 11.4ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ) △(￥223,300) 9ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ) △(￥161,700) 8ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ) △(￥103,400) 8ｲﾝﾁ(ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲｵｰﾃﾞｨｵ)
ルーフ	サンバイザー	● ﾊﾞﾆﾃｨﾐﾗｰ付
ルームミラー	自動防眩	– 手動
ステアリング	チルトステアリング	● 手動
	テレスコピックステアリング	● 手動
シート	シートヒーター	○ 前席 AWD	● 前席
	1列目アームレスト	● 前席(ｺﾝﾋﾞﾆﾌｯｸ付)
	2列目キャプテンシート （アームレスト付）	○ 6人乗り
	（2列目キャプテンシート） スライド機能	○ 6人乗り
	（2列目キャプテンシート） リクライニング機能	○ 6人乗り
	2列目ベンチシート	–	○ 7人乗り	–
	（2列目ベンチシート） スライド機能	–	○ 7人乗り	–
	（2列目ベンチシート） リクライニング機能	–	○ 7人乗り	–
	後席シート可倒	● 5:5分割		● 6:4分割(5人乗り) 5:5分割(6人乗り)
	後席リクライニング機能	●
	シートバックテーブル	△ 2列目両側:ｶｯﾌﾟﾎﾙﾀﾞｰ,ｺﾝﾋﾞﾆﾌｯｸ付

気になるポイントは以下となります。

• 前席のシートヒーターが「AIR」のFFには設定なし

寒い日にあると嬉しい前席のシートヒーターが「AIR」のFFには設定がないので、購入を検討する際には注意が必要です。

その他装備の比較

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
ドア	パワーウインドウ	●
	（パワーウインドウ） ワンタッチ式	● 運転席
	パワースライドドア	● ﾘｱﾄﾞｱ両側
	（パワースライドドア） ハンズフリー機能	△(\29,700/ﾘｱﾄﾞｱ片側,\55,550/ﾘｱﾄﾞｱ両側)
	（パワースライドドア） 予約ロック機能	● ﾘｱﾄﾞｱ両側
	イージークローザー	● ﾘｱﾄﾞｱ
ガラス	UVカットガラス	● 全面
	IRカットガラス	● 全面
	プライバシーガラス	● ﾘｱﾄﾞｱ,ﾘｱｸｫｰﾀｰ,ﾊﾞｯｸﾄﾞｱ
	サンシェード	● ﾘｱﾄﾞｱ(手動)
電源	USBソケット （前席）	● 通信用type-A×1 △(\13,200) 充電用type-C×1
	USBソケット （後席）	–	● 充電用type-C×2	○ 充電用type-C×2 6人乗り
	アクセサリーソケット（前席）	●
	アクセサリーソケット （荷室）	–		○ 5人乗り
通信	スマートキー	●
	Apple CarPlay/Android Auto対応	△(￥320,100) ※11.4ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ)とｾｯﾄ △(￥223,300) ※9ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ)とｾｯﾄ △(￥161,700) ※8ｲﾝﾁ(ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲｵｰﾃﾞｨｵ)とｾｯﾄ
	コネクティッドサービス	●
	ETC2.0	△(\28,600~)
空調	オートエアコン	● ｼﾝｸﾞﾙｿﾞｰﾝ
	リアクーラー	–	●	○ 6人乗り
オーディオ	標準スピーカー	● 4ｽﾋﾟｰｶｰ
運転	ナビゲーションシステム	△(￥320,100) ※11.4ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ)とｾｯﾄ △(￥223,300) ※9ｲﾝﾁ(Honda CONNECTﾅﾋﾞ)とｾｯﾄ △(￥161,700) ※8ｲﾝﾁ(ﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲｵｰﾃﾞｨｵ)とｾｯﾄ
	ブレーキホールド	● ﾒﾓﾘ機能

気になるポイントは以下となります。

• ドアミラーの自動格納機能が「AIR」はオプション設定
• 2列目向けの充電用USBソケットやリアクーラーが「AIR」や「CROSSTAR」の5人乗りには設定なし
• ラゲッジルームのアクセサリーソケットが「CROSSTAR」の5人乗りのみ標準装備

ドアの施錠/開錠と連動したドアミラーの自動格納/展開機能が「AIR」以外では標準装備となっており、「AIR」はディーラーオプションで追加することができます。

「AIR」と「CROSSTAR」の5人乗りには2列目向けの充電用USBソケットがなく、「CROSSTAR」の5人乗りにはラゲッジルームにアクセサリーソケットが装備されているので、広い室内空間を生かしてキャンプや車中泊で利用したい方には嬉しいポイントですね。

全グレードでコネクティッドサービスが利用可能となる「Honda CONNECT for Gathers＋ナビ装着用スペシャルパッケージ」が標準装備となっていますが、利用するためにはディーラーオプションの純正ナビゲーションを別途装着する必要があるので注意が必要です。

安全装備、運転支援機能の比較

		AIR	AIR EX	CROSSTAR
街中での走行時	衝突軽減ブレーキ	●
	緊急時操舵アシスト	●
	道路標識認識	●
	発進告知アラート	●
高速道路での走行時	先行車追従/車速維持	●
	先行車追従自動停止	●
	車線維持支援	●
	車線逸脱検知アラート/衝突回避	●
	後側方走行車両検衝突検知アラート	●
駐車や発進/後退時	踏み間違え抑止	●
	前後方障害物衝突検知アラート/衝突回避	●
	後退時後方左右接近車両検知アラート	△(◆2)	◎(◆1) HEV(6人乗り)	◎(◆1) HEV(6人乗り)
視界の拡張	360°モニター	–	◎(◆1) HEV(6人乗り)	◎(◆1) HEV(6人乗り)
	バックモニター	△(◆2)
その他	ドライブレコーダー	△(\32,450~)

気になるポイントは以下となります。

• 360°モニターが「AIR EX」「CROSSTAR」の6人乗りかつHEVのみオプションで設定あり

自車周辺の映像をセンターディスプレイに表示して安全確認が可能となる360°モニターは、「AIR EX」と「CROSSTAR」の6人乗りかつHEVしか装備できないオプションとなっているので、購入を検討する際は注意が必要です。

まとめ

以上を踏まえて、次のポイントが筆者が考える比較検討をする際の判断ポイントになります。

フリード「AIR」を選ぶポイント

• 必要十分な安全装備、運転支援を備えており、最も初期費用を抑えられる

フリード「AIR EX」を選ぶポイント

• 充実した安全装備、運転支援機能
• 唯一7人乗りを選択できるため、最も多人数乗車が可能

フリード「CROSSTAR」を選ぶポイント

• 充実した安全装備、運転支援機能
• 専用デザインとなる装備により、アウトドアライクな見た目となっているエクステリア
• ルーフレールの装備により積載性が高く、唯一5人乗りを選択でき、後席を倒すことで広大なラゲッジルームとなるため、アウトドアなどのシーンで重宝

以上、「ホンダ『フリード』の各グレード、比較してみた！」でした。