2024年8月1日に商品改良が発表されたマツダ『MAZDA3』。
今回はハッチバックのボディータイプとなる「FASTBACK」の各グレードのスペックや装備を項目毎に比較して、購入を検討する際のポイントをまとめてみました。
※「SEDAN」のグレード別の比較は、別記事「マツダ『MAZDA3 SEDAN』の各グレード、比較してみた!」をご覧ください。
商品改良の概要については、「MAZDA NEWSROOM」をご覧ください。
目次
価格、グレード展開
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | |||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | ||||
ガソリン SKYACTIV-G (15C/15S) | FF | AT | ¥2,209,900 | ¥2,409,000 | – | ¥2,779,700 |
MHEV e-SKYACTIV G (20S) | FF | AT | – | – | ¥2,836,900 | ¥2,990,900 |
MT | – | – | ¥2,913,900 | ¥2,990,900 | ||
AWD | AT | – | – | ¥3,073,400 | ¥3,227,400 | |
MHEV e-SKYACTIV X (X) | AWD | AT | – | – | ¥3,964,400 ~ ¥3,986,400 | – |
MT | – | – | ¥3,964,400 ~ ¥3,986,400 | – | ||
ディーゼル SKYACTIV-D (XD) | FF | AT | – | ¥2,852,300 | ¥3,111,900 | ¥3,265,900 |
AWD | AT | – | ¥3,088,800 | ¥3,348,400 | ¥3,502,400 |
『MAZDA3 FASTBACK』には、ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 1.5」を搭載した「15C」「15S」、ガソリンエンジンにマイルドハイブリットシステムを組み合わせた「e-SKYACTIV G 2.0」を搭載した「20S」、より出力を高めた「e-SKYACTIV X」を搭載した「X」、そしてディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 1.8」を搭載した「XD」に分かれています。
そこからさらに「15C」より装備と質感を高めた「S Package」、さらに安全装備を追加した「Touring」、レトロな雰囲気が感じさせる特別仕様車の「Retro Sports Edition」に分かれています。
気になるポイントは以下となります。
- 「15C」は駆動方式がFFかつトATのみ
- 「20S」の駆動方式AWDにはMTの設定なし
- 「X」は駆動方式がAWDのみ
- 「XD」はMTの設定なし
価格を比較してみると、装備が必要最小限となっている「15C」と、最も装備が充実しており「e-SKYACTIV X」を搭載した「X Touring」では、180万円ほどの価格差となっています。
ガソリンエンジン×マイルドハイブリットを搭載したグレードのみとなりますが、昨今では少ないMTが用意されているのは、運転好きな方には嬉しいポイントではないでしょ
エクステリアのデザイン、質感の比較
画像引用元:マツダ MAZDA3
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | ||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | |||
フロント | グリル | ● ブラック | |||
サイド | ピラー | ● ブラック | ● ピアノブラック | ||
ドアミラーカバー | ● ボディ同色 | ● グロスブラック | |||
ホイール | ● 16インチスチールホイール+ホイールキャップ | ● 18インチアルミホイール(グレーメタリック) | ● 20S/XD:18インチアルミホイール(グレーメタリック) X:18インチアルミホイール(ブラックメタリック) | ● 18インチアルミホイール(ブラックメタリック) | |
リア | ルーフスポイラー | ● ブラック |
気になるポイントは以下となります。
- 一部のボディカラーが「15C」では選択不可
- 「15C」のみホイールサイズが16インチ
エクステリアの見た目は、グレードによってホイールの質感や色が異なっていることと、ドアミラーカバーが「15C」「S Package」「Touring」はボディ同色、「Retro Sports Edition」はグロスブラックになるといった違いがあります。
ボディーカラーは全9色が用意されていますが、「15C」はそのうちの5色しか選択できなようになっています。
ホイールは「15C」のみ16インチのスチールホイールにホイールキャップを組み合わせたものとなっており、他のグレードでは18インチのアルミホイールに比べて質感や足元の迫力で見劣りする部分があります。
インテリアのデザイン、質感の比較
画像引用元:マツダ MAZDA3
画像引用元:マツダ MAZDA3
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | |
S Package | Touring | Retro Sports Edition | ||
インパネ | ● 合成皮革(ブラック)+シルバー加飾 | ● 合成皮革(ブラック)+プラチナサテン加飾 | ● 合成皮革(ブラック)+プラチナサテン加飾 ◎(■1,2) 合成皮革(ブラック/レッド)+プラチナサテン加飾 | ● レガーヌ(ブラック)+ガンメタリック加飾 |
ドアトリム | ● クロス+シルバー加飾 | ● クロス+プラチナサテン加飾 | ● クロス+プラチナサテン加飾 ◎(■1,2) 合成皮革+プラチナサテン加飾 | ● レガーヌ+ガンメタリック加飾 |
インナードアハンドル | ● シルバー | ● プラチナサテン | ● ガンメタリック | |
シート | ● クロス(ブラック) | ● クロス(ブラック) ◎(■1,2) スムースレザー(ブラック/レッド) | ● 合成皮革×レガーヌ(テラコッタ×ブラック) | |
ステアリング | ● ウレタン | ● スムースレザー | ||
シフトノブ | ● ポリ塩化ビニル | ● スムースレザー |
■1:シート【ブラック】セットオプション(¥132,000)に含む
■2:シート【レッド】セットオプション(¥154,000)に含む
気になるポイントは以下となります。
- 「Touring」はオプションで質感の高い内装に変更可能
- 「Retro Sports Edition」にはタンカラーの内装を採用
インテリアですが、上位グレードとなる「Touring」は標準では「S Package」と同等になりますが、メーカーオプションでブラックもしくはレッドのスムースレザーを使用したシートを選択することができ、「Retro Sports Edition」にはタンカラーの合成皮革×ブラックの人工皮革を組み合わせたシートが採用されています。
サイズ、重量、乗車定員、最小回転半径の比較
15C/15S S Package/15S Retro Sports Edition | 20S Touring/20S Retro Sports Edition | X Touring | XD S Package/XD Touring/XD Retro Sports Edition | ||
ボディサイズ | 全長 | 4,460 | |||
全幅 | 1,795 | ||||
全高 | 1,440 | ||||
車両重量 | FF(AT):1,340 | FF(AT):1,380 FF(MT):1,360 AWD:1,450 | AWD(AT):1,520 AWD(MT):1,490 | FF(AT):1,420 AWD(AT):1,480 | |
乗車定員 | 5 | ||||
最小回転半径 | 5.3 |
気になるポイントは以下となります。
- 「X Touring」のATは車両重量が1.5kgオーバー
ボディサイズを検討する際は、クルマを止める駐車場のサイズ制限を意識する必要があります。
その際にマンションなどの立体駐車場に止める場合は、最も多いサイズ制限として「全長5.0m以下×全幅1.85m以下×全高1.55m以下」となっています。
ボディサイズは全グレード共通となっており、一般的な立体駐車場に収まるサイズ感となっています。
最小回転半径も全グレード共通となっていますが、車両重量では唯一「X Touring」のATが1.5kgをオーバーしてしまっているため、クルマ購入時や車検時に支払いが発生する車両重量税が高くなる点は意識しておいたほうがいいかもしれません。
燃費、動力性能、総排気量の比較
15C/15S S Package/15S Retro Sports Edition | 20S Touring/20S Retro Sports Edition | X Touring | XD S Package/XD Touring/XD Retro Sports Edition | |||
動力 | ガソリン SKYACTIV-G 1.5 | MHEV e-SKYACTIV G 2.0 | MHEV e-SKYACTIV X | ディーゼル SKYACTIV-D 1.8 | ||
燃費 | FF | AT | 16.6 | 16.4 | – | 21.2 |
MT | – | 17.5 | – | – | ||
AWD | AT | – | 15.9 | 16.7 | 20.0 | |
MT | – | – | 17.7 | – | ||
燃料 | レギュラーガソリン | レギュラーガソリン | プレミアムガソリン | 軽油 | ||
動力性能 | エンジン | 最大出力 | 82[111]/6,000 | 115[156]/6,000 | 140[190]/6,000 | 95[130]/4,000 |
最大トルク | 146[14.9]/3,500 | 199[20.3]/4,000 | 240[24.5]/4,500 | 270[27.5]/1,600-2,600 | ||
モーター | 最大出力 | – | 5.1[6.9]/1,800 | 4.8[6.5]/1,000 | – | |
最大トルク | – | 49[5.0]/100 | 61[6.2]/100 | – | ||
総排気量 | 1.496 | 1.997 | 1.756 |
気になるポイントは以下となります。
- 燃料が「X」はプレミアムガソリン、「XD」は軽油
燃費性能を比較してみると、燃料がガソリンとなる「15C」「15S」「20S」「X」の平均燃費は16km/L~17km/L程度、軽油となる「XD」では20km/L~21km/L程度と、燃料となる軽油の安さもあり、「XD」が最も燃料費を抑えることができそうです。
総排気量では「15C」のみ1.5L以下となっているので、毎年の自動車税は一番安く抑えることができますね。
エクステリア関連装備の比較
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | ||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | |||
フロントランプ | LEDヘッドランプ | ● | |||
オートライト | ● | ||||
アダプティブハイビーム | – | ● | |||
オートハイビーム | ● | – | |||
デイライト | – | ● | |||
リアランプ | LEDリアコンビネーションランプ | ● | |||
LEDハイマウントストップランプ | ● | ||||
LEDフォグランプ | – | 〇 AWD | |||
ドアミラー | 自動格納 | ● | |||
リバース連動 | – | ● | |||
自動防眩 | – | ● 運転席側 | |||
フロントワイパー | 車速連動間欠 | ● | |||
雨滴感知 | ● |
※装備/機能の説明については、「エクステリア関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- アダプティブハイビーム、デイライトが「S Package」以下のグレードには設定なし
- リアのLEDフォグランプはAWDのみ標準装備
「S Package」以下のグレードには、先行車や対向車を検知してハイビームの照射範囲を変えるアダプティブハイビームや、昼間の対向車や歩行者からの視認性向上だけでなく見た目の向上にも繋がるデイライトの設定がありません。
また、悪天候での後続車からの視認性を向上させるリアのフォグランプですが、各グレードでAWDの車両のみ標準装備となっているので、購入を検討する際は注意が必要です。
インテリア関連装備の比較
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | ||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | |||
インパネ | メーターパネル | ● 7インチマルチインフォメーションディスプレイ+アナログメーター | |||
ヘッドアップディスプレイ | ● | ||||
センターディスプレイ | ● 8.8インチ | ● 8.8インチ ◎(◆2,3) 10.25インチ | ● 10.25インチ | ||
ルーフ | サンバイザー | ● チケットホルダー,バニティミラー,照明付 | |||
サングラスホルダー | ● | ||||
ルームミラー | 自動防眩 | – 手動 | ● | ||
ステアリング | チルトステアリング | ● 手動 | |||
テレスコピックステアリング | ● 手動 | ||||
ステアリングヒーター | – | ● | |||
シート | パワーシート | – | ● 運転席 | ||
シートヒーター | – | ● 前席 | |||
フロントセンターアームレスト | ● コンソールボックス一体型 | ||||
リアセンターアームレスト | ● カップホルダー付 | ||||
後席シート可倒 | ● 6:4分割 | ||||
ラゲッジ | トノカバー | ● |
◆2:セットオプション(¥169,400)に含む
◆3:セットオプション(¥224,400)に含む
※装備/機能の説明については、「インテリア関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- パワーシート、ステアリングヒーター、シートヒーターが「S Package」以下のグレードには設定なし
冬場にあると嬉しいステアリングのグリップ部分を温める機能を備えたステアリングヒーターや、前席のシート部分を温めてれる機能を備えたシートヒーターが、「S Package」以下のグレードにはオプションでも設定がありません。
さらに上位グレードには備わっている運転席のシート位置や角度が電動調整可能なパワーシートが装備されておらず、レバーでの手動調整となっています。
その他装備の比較
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | ||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | |||
ドア | パワーウインドウ | ● | |||
(パワーウインドウ)ワンタッチ式 | ● 全席 | ||||
車速感応式ドアロック | ● | ||||
ガラス | UVカット | ● | |||
IRカット | – | ◎(◆2,3) フロント,フロントドア | ● フロント,フロントドア | ||
電源 | ワイヤレス充電 | ◎(◆1) | ◎(◆2,3) | ● | |
USBソケット(前席) | ● type-A×2 | ● type-C×2 | |||
アクセサリーソケット(前席) | ● | ||||
通信 | スマートキー | ● | |||
Apple CarPlay/Android Auto対応 | ● | ||||
コネクティッドサービス | – | ● | |||
ETC2.0 | △(¥74,448) | ||||
空調 | オートエアコン | – マニュアル | ● デュアルゾーン | ||
オーディオ | 社外スピーカー (BOSE) | – | 〇 MT,X ◎(◆4,5) AT,X以外 | – 15S ● 20S/XD | |
運転 | ナビゲーションシステム | △(¥88,000) | |||
ドライブモード | 〇 AT | 〇 AT,XD以外 | 〇 AT | ||
ブレーキホールド | ● |
◆1:セットオプション(¥77,000)に含む
◆2:セットオプション(¥169,400)に含む
◆3:セットオプション(¥224,400)に含む
◆4:セットオプション(¥209,000)に含む
◆5:セットオプション(¥231,000)に含む
※装備/機能の説明については、「その他装備関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- 「15C」にはオートエアコンやコネクティッドサービスの設定なし
- 「S Package」以下のグレードにはBOSEサウンドシステムの設定なし
最も安価な「15C」には未設定となっている装備が多いですが、特に設定した室内温度に保ってくれるオートエアコンや、専用アプリを使用して遠隔からの車両操作が可能となるコネクティッドサービスといった便利な装備がありません。
「S Package」以下のグレードにはBOSEサウンドシステムがオプションでも設定がないので、車内で音楽よく聞く方は、購入を検討する際に意識しておく必要があるポイントですね。
安全装備、運転支援の比較
15C | 15S/XD | 20S/XD/X | 15S/20S/XD | ||
S Package | Touring | Retro Sports Edition | |||
街中での走行時 | 衝突軽減ブレーキ | ● | |||
交差点進入時衝突回避 | – | ● | |||
車線逸脱警報 | ● | ||||
道路標識認識 | – | ● | |||
高速道路での走行時 | 先行車追従/車速維持 | ● AT:全車速 MT:30km/h以上 | |||
先行車追従自動停止 | 〇 AT | ||||
車線維持支援 | – | ● AT:全車速 MT:30km/h以上 | |||
後側方走行車検知アラート | ● | ||||
駐車や発進/後退時 | 踏み間違え抑制 | 〇 AT | |||
前後方障害物衝突回避 | ● | ||||
後退時後方左右接近車両衝突回避 | ● | ||||
視界の拡張 | 360°モニター | ◎(◆1) | ◎(◆2,3) | ● | |
バックモニター | ● | – | |||
その他 | ドライブレコーダー | △(¥86,614~) |
◆1:セットオプション(¥77,000)に含む
◆2:セットオプション(¥169,400)に含む
◆3:セットオプション(¥224,400)に含む
※装備/機能の説明については、「安全装備、運転支援関連の用語」をご覧ください。
気になるポイントは以下となります。
- 高速道路での車線維持支援機能が「S Package」以下のグレードには設定なし
- 360°モニターが「15C」「S Package」はオプション設定
全車昨今求められるような安全装備は一通り備えていますが、「S Package」以下のグレードにはマツダでは「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)」と呼ばれる高速道路で先行車との車間維持や設定した車速を維持してくれる機能はあるのですが、さらに同一車線内の中央を維持してくれる機能を持った「クルージング&トラフィック・サポート(CTS)」が備わっていません。
また、自車の周囲の映像をセンターディスプレイに表示可能となる360°モニターが標準では装備されていないので、欲しい場合はメーカーオプションで追加する必要があります。
まとめ
まず『MAZDA3 FASTBACK』では、搭載するエンジンによって特性や燃費が異なっており、軽快な走りが楽しめる1.5Lのガソリンエンジンを搭載した「15C」「15S」、マイルドハイブリットが組み合わされたエンジンにより、街中で静かで滑らかな発進が可能となっている「20S」、高いトルクによる力強い加速や、燃費の良さが魅力の「XD」、そして「20S」の滑らかな発進や「XD」のトルク感といったメリットを兼ね備えた「X」から選択する必要があります。
その上で、次のポイントが筆者が考える比較検討をする際の判断ポイントになります。
MAZDA3 FASTBACK「15C」を選ぶポイント
- 装備や機能は必要最小限で十分、可能な限り費用を抑えたい
MAZDA3 FASTBACK「S Package」を選ぶポイント
- 「15C」の装備に加えて、オートエアコンやコネクティッドサービスといった便利機能あり
- 「15C」と比べて、ステアリングやシフトノブの質感が向上(スムースレザーを使用)
MAZDA3 FASTBACK「Touring」を選ぶポイント
- 下位グレードでメーカーオプションとなっている装備や機能が標準装備
- ステアリングヒーターや前席のシートヒーターといった快適装備あり
- シートを「S Package」と同等の質感から、ブラック or レッドのスムースレザーに変更可能
- より音質の高い音楽を楽しめるBOSEサウンドシステムが装備可能 ※一部メーカーオプション
MAZDA3 FASTBACK「Retro Sports Edition」を選ぶポイント
- 下位グレードでメーカーオプションとなっている装備や機能が標準装備
- ステアリングヒーターや前席のシートヒーターといった快適装備あり
- タンカラーが使用されたシートにレトロ感のある内装
- より音質の高い音楽を楽しめるBOSEサウンドシステムを標準装備 ※「15S」には設定なし
以上、「マツダ『MAZDA3 FASTBACK』の各グレード、比較してみた!」でした。
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